ローマのサン・ピエトロ大聖堂は、使徒ペトロの墓の上に建てられたと言われています。また、代々のローマ教皇は、使徒ペトロの後継者を名乗ってきました。と言うと、ペトロは非常に優れた人のように思えます。しかし、聖書の伝えるペトロは、あまり立派ではないようです。

ペトロは漁師でした。イエス様に招かれて弟子になりました。ペトロは、ありのままの感情で、思うままに行動する人でした。イエス様が、「今夜、私は捕まり獄に繋がれる」と言われた時、ペトロは、「たとえ、周りの全ての人が、あなたを裏切っても、私は決して裏切りません」と言いました。しかし、イエス様に言われたとおり、鶏が鳴く前に、三度、イエス様のことを知らないと言いました。

イエス様がよみがえられ、教会が出来た時、ペトロは教会の中心人物になりました。そして、色々なところで、この「イエス様を知らないと言った話」をしました。その時、聴衆は誰一人、ペトロは、愚かだとか、勇気がないとかは思いませんでした。ペトロと同じように、自分もイエス様を裏切っていたのだと思ったからです。それから、ペトロは、このような弱い自分のためにイエス様が死んでくださったこと、そして、神様と共に生きる者としてくださったことを、語りました。

ペトロには、このような話が伝わっています。皇帝ネロがキリスト教徒を迫害した時、年老いたペトロはローマから逃げ出しました。逃げ出す道すがら、幻の中でイエス様に出会い、「主よ、どこに行かれるのですか」と問いました。イエス様は、「お前の代わりにローマに行き、再び十字架にかかる」と言われ、その言葉に、自分を恥じたペトロは、ローマに戻り、逆さ十字架に付けられ殺されました。

ペトロは、このように神様に用いられ、教会の礎となりました。